小久保監督「WBCを見据えて招集した」=3月の侍ジャパン強化試合メンバー発表

ベースボール・タイムズ

3月の強化試合に出場する日本代表メンバーたち(左から大野、小川、平田、小久保監督、坂本、菅野、筒香) 【写真は共同】

 野球日本代表「侍ジャパン」小久保裕紀監督が15日、沖縄で3月のチャイニーズ・タイペイ(5日・ナゴヤドーム/6日・京セラドーム大阪)との強化試合のメンバー26名を発表した。

 中田翔(北海道日本ハム)、筒香嘉智(横浜DeNA)ら昨年11月に行われたプレミア12のメンバーが中心の選考となったが、大谷翔平(北海道日本ハム)、則本昴大(東北楽天)、松井裕樹(楽天)は外れた。また、投手の秋吉亮(東京ヤクルト)、外野手の清田育宏(千葉ロッテ)の2人がトップチーム初選出となった。

 小久保監督は来年3月に予定されている第4回WBCへ「1年後を見据えた日本のトッププレーヤーを招集した」とメンバー選出の理由を説明。会見には代表に選ばれた坂本勇人(巨人)、菅野智之(巨人)、筒香、小川泰弘(ヤクルト)、大野雄大(中日)、平田良介(中日)が出席し、それぞれ意気込みを語った。

以下は会見全文

小久保監督「台湾は非常に脅威」

小久保監督がキャプテンとしての役割を期待する嶋(写真中央) 【Getty Images】

――今回の26名は1年後を見据えた選手選考となったと思うが、どのような思いで選考されたのか?

小久保監督 1年後を見据えた中で、今の時点で日本のトップのプレーヤーを招集しました。今年1年のプレーを見た上で、秋にはメンバーの編成がほぼ終わらないといけませんので、そういうのも含め、来年を見据えての招集ということです。

――今回の強化試合へ向けて投打のキーマンを1名ずつ挙げるとすると?

小久保監督 トッププレーヤーばかりなので1名ずつは難しいんですけど、このチャイニーズ・タイペイ戦と秋の強化試合ともう2回しか集まれる機会がないので、キーマンというよりは全員が結束力を高めるための戦い、期間にしたいという思いが強いですね。
――チャイニーズ・タイペイ戦の4番の構想は?

小久保監督 西武の中村(剛也)は今回招集してないんですけど、当然、本戦には候補として入ってくる選手だと思いますし、ここにいる筒香と中田は4番を打てる選手たちだと思っています。いい争いをしてくれればと思います。

――抑え投手は決めたか?

小久保監督 抑えは今年1年、ピッチングコーチと一緒に試合を見ながら、1年かけて見ていこうと思っています。

――権藤博コーチが投手コーチとして入ったが?

小久保監督 自分の親よりも上の方なんですけど、監督経験もあり、コーチ経験もあり、両方の点で申し分のない人だということで、今回引き受けていただけましたんで、その意味では非常に心強い方が入られたと思います。

――キャプテンは誰になる?

小久保監督 特に決めてはないですね。嶋(基宏/楽天)が入っているので自然に行けばそうなるでしょうけど。今回は2試合だけの集まりなんで、特にキャプテンという感じでは決めていません

――今回の相手となるチャイニーズ・タイペイのイメージは?

小久保監督 プレミア12の場合はリーグが違ったので直接対決することはなかったんですけど、台湾の土地でプレーしたことを振り返ると、非常に野球熱の高い国だなというのを感じますし、日本のプロ野球に台湾人の選手も入って、日本の野球に追い付け追い越せというのは感じますので、本戦でも非常に脅威になる国には違いないと思います。

――WBCでの世界一奪還への意気込みは?

小久保監督 来年、おそらく対戦する国になると思いますので、出ている選手には対戦する投手、野手が本番にも出て来る可能性が高いという思いで臨んでほしいと思いますし、貴重な2試合なので、この2日間、いい時間過ごしてほしいなと思います。

選手たちの意気込み

日本の4番としての活躍が期待される中田(背番号13)と筒香 【Getty Images】

 会見に出席した選手たちが、「WBCでの世界一奪回が大きな命題になるが、今回のチャイニーズ・タイペイ戦のテーマは?」「プレミア12はどんな経験になったか?」について答えた。

■坂本「期待に応えられるプレーを!」

 チャイニーズ・タイペイ戦では走攻守にレベルの高いプレー、監督の期待、ファンの期待に応えられるプレーを、2試合ですけど見せられたらいいなと思います。前回のプレミアでは短期決戦での1球の怖さ、野球は何が起きるか分からないということを学ばせてもらいましたし、すごくいい勉強になりました。

■菅野「プレミア12より成長した姿を見せたい」

 自分なりにプレミア12を戦わせてもらって、まだまだ力がないんだなというのを痛感しました。その思いを胸に自主トレ期間、オフシーズンを過ごしてきました。今回のチャイニーズ・タイペイ戦では少しでも成長した姿というものを小久保監督をはじめ、ファンのみさなさんに見せたい。そういう思いで明日からの練習に励んでいきたいと思います。

■筒香「4番は目標だけど必死でプレーする」

 今回のチャイニーズ・タイペイ戦では、日の丸のユニホームを背負って戦いますので、全国のみなさん、ファンのみなさん、子供たちに夢を与えられるような活躍をしたいと思っています。前回のプレミア12では、国際大会の難しさや怖さというのを初めて体感することができたので、今後にもすごく生きてくると思います。4番については、すごい選手、メンバーばかりなので、目標ではありますけど、自分は一生懸命必死にプレーするだけだと思っています。

■小川「プレミア12の経験を生かしたい」

 今回、チャイニーズ・タイペイ戦に選んでいただいたことに感謝と喜びの気持ちを持って全力でプレーしていきたいと思いますし、侍ジャパンに選ばれるに相応しい行動や選手を目指してこれからもやっていきたいと思います。前回のプレミア12ではシーズンとはまた違った緊張感や、自分の持ち場ではない場所で戦ったので、その難しさも感じましたし、1球の怖さも学ぶことができました。しっかりとその経験を生かして、しっかりジャパンの勝利に貢献できるように頑張っていきたいと思います。

■大野「全員で一致団結して戦いたい」

 僕自身は日本代表のユニホームを着る機会があれば毎回選出していただきたいという気持ちがありますので、今回も選んでいただいて本当にうれしく思います。今回のチャイニーズ・タイペイ戦は名古屋での試合ということで、中日ドラゴンズの本拠地での試合ということもあるので、そこでプレーできることをうれしく思っています。名古屋のファン、全国のファンの方に日本代表のトップチームの素晴らしいプレーを見せられればと思っています。プレミア12では僕自身2試合登板したんですが、良い所も悪い所も出ました。その中で良い所を評価していただいて今回選んでいただいたと思っています。準決勝で悔しい思いをして、選手全員17年のWBCでは必ず世界一を奪回したいという気持ちでいるので、それに向けて今回も全員で一致団結して戦っていきたいと思います。

■平田「日の丸を背負うことに喜び感じる」

 今回選んでいただいてもらったことにすごく喜びを感じています。また日の丸を背負ってプレッシャーのかかる試合ができることにすごく喜びを感じています。前回の韓国戦では非常に悔しい負け方をしました。最後まで諦めずに戦えば絶対にいいことが起きるということを、また改めて感じさせられた試合でもあったので、自分の野球人生において成長ができたと思います。このチャイニーズ・タイペイ戦2試合で、また自分自身も成長できると思うので頑張りたいと思います。

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著者プロフィール

プロ野球の”いま”を伝える野球専門誌。年4回『季刊ベースボール・タイムズ』を発行し、現在は『vol.41 2019冬号』が絶賛発売中。毎年2月に増刊号として発行される選手名鑑『プロ野球プレイヤーズファイル』も好評。今年もさらにスケールアップした内容で発行を予定している。

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