UFCが日本人ファンイベントを開催! 川尻、KIDらのトークで大盛り上がり

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UFCのファンイベントには、抽選で選ばれた400人のファンが集まった 【スポーツナビ】

 世界最大の総合格闘技イベント「UFC」の日本人ファンイベントとなる「UFC JAPANファンイベント」が29日、都内で開催された。イベントには、川尻達也、山本“KID”徳郁ら、7人の日本人UFCファイターが集結し、2015年の戦いなどをそれぞれ振り返った。

 日本で初開催となったファンイベントには、応募が殺到し、抽選で選ばれた400人のファンが来場。リング上とは違う和やかな雰囲気の選手たちが語る軽快なトークに、爆笑や温かい拍手などが送られ、ファンにとっては充実の2時間となった。

川尻は「ボーナス」をもらえず、試合に不満足

映像を見ながら日本人ファイターの戦いを振り返る 【スポーツナビ】

 イベントの序盤では「2015年のUFCを振り返ろう」というテーマで、川尻、田中路教、金原正徳、廣田瑞人、石原“夜叉坊”暉仁の試合をそれぞれ映像を見ながら、本人に振り返ってもらった。

 まず最初に12月11日に行われた川尻vs.ジェイソン・ナイトとの試合について。この試合では、ミアサド・ベクティックが負傷のため、川尻の対戦相手が急きょ変更。UFCデビュー戦になるナイトが相手となったが、「タイプが真逆で焦りました。(ナイトは)下攻めの相手で、ちょっと嫌だなと思っていました」と、試合前の気持ちを吐露。また「(ベクティックが)将来のチャンピオン候補だということもあって、自分の中で『やってやるぞ』という決意もあったのですが、気が抜けたところもありました」と、気持ち的にもテンションが落ちていたと話す。

 ただ試合では圧倒し判定勝利。しかし「この相手にはKOか一本で勝たないといけないなと。満足のできない内容でした」と辛口評価。さらに画面に映された自分の姿を見て「(この試合の時は)体重を戻し過ぎたせいか、こう見るとムチムチですね。冷蔵庫見たい」と自虐的にも話したが、そこはゲストで来ていた“UFC大好き芸人”チュートリアル・福田充徳さんが「そんなことないです。十分ですよ!」とフォローしていた。

 さらに試合では『川ちゃんトルネード(回転肘)』によるKOを狙っていたと話し、「そういう技でKOすればボーナスがいただけるのでね。ボーナスはファイトマネーより高いし」と、みんなが気になる“お金ネタ”で笑いを誘った。すると、この先では時々、チュートリアル福田さんが「ボーナス、ちらつきましたか?」と話題を振って、お金好きなところを見せた。

夜叉坊は「男も好き?」 金原、引退発言に「どうなんでしょう?」

チームメイトの田中と夜叉坊は熱い抱擁!? 【スポーツナビ】

 川尻に続いては、1月2日に行われた田中vs.ジョー・ソト、金原vs.マイケル・マクドナルドの試合を振り返った。

 田中はこの試合のために打撃強化に取り組み、特に「中村優作さんから日本拳法の型を習って、それに似たスタイルになってきています」と話した。また試合中、ソトの挑発もあり、笑い返したところでは「セコンドに怒られた」という裏話も付け加えた。

 また、この試合でセコンドについていた石原“夜叉坊”は、田中の勝利に大号泣。このシーンが映されると、田中は「試合後だけでなく、入場でも大号泣してましたよ。僕が金網に入る前に、抱きしめられたし」と暴露。それに対し夜叉坊は「1年間、僕の練習相手をしてもらって、仲間としてサポートしてきたので。今も泣きそうです。ホンマ、好きやねん」とやや「女好き」イメージがありながらも、「男もなのか?」と思わせる発言。最終的にはステージ上で「公開抱擁」を促され、田中と熱く抱き合い、会場からの拍手を浴びた。

 一方、マクドナルドに対し終始優勢だったが、最後に逆転負けを食らった金原は「本当に一瞬ですよね。それが格闘の面白さであり、残酷なところ。1つのミスで負けてしまうのがあるので……」と後悔している様子。特に得意技で捉えながらも、それをすり抜けられてのチョークスリーパーだったため、「ツルっと抜けたので、ワセリンか何かで滑ったのかな?」と話していたが、映像を見ると、マクドナルドが金網を蹴っているようにも見えたため、その後悔はさらに強くなったようだ。

 試合後の“引退発言”については「どうなんでしょうかね? まあ、本当に『(現役を)辞めてもやめてもいい』と思うぐらい、この試合に懸けていたので。負けて『もう1試合』とも思わなかったし。ただ、意外にもう一度見たいという声も多かったので、まだ分からないですね。今は、暇つぶしに格闘技を楽しんでいる状況です」と迷っている心情を明かした。ただこれに対してはゲストで来ていた高阪剛が「本人にはいろいろな思いはあると思いますが、(格闘技は)暇つぶしではないと思いますよ」と、たしなめるシーンもあった。

日本大会欠場の悔しさを語るKIDと国本

日本大会欠場となった山本KIDは悔しい思いを語った 【スポーツナビ】

 9月27日のUFC日本大会で「Road to UFC」の試合で争った廣田と夜叉坊は、お互い対戦相手が近くにいたせいか、本音をすべて出せない様子。それでも夜叉坊が「(緊張は)まったくなかったですね。最初から(力を)出し切るというのが試合プランだったので」と試合を振り返ると、廣田も「距離が遠かったのもあったのですが、足を(1ラウンドの時に)脱臼してしまったのがあって、倒れたのはそのせいかなと」と、ともに強がる部分も見せた。

 また同大会で試合を組まれていたが、ケガのために欠場となった山本KIDと国本記一は、「練習中にけがをして、2日前に手術をしたので、前日は悔しさがあって、外に出れなかったですね」(国本)、「試合5日前の最後のミット打ちの時に、思い切り踏み込んだ時に、後ろからボールを当てられたような感覚が合って。『誰だ?』と思ったのだけど、次に踏み込もうとしたら、ガクンとなってしまった。最初はくそーと思って、その後は、はぁーとため息でしたね。日本は年に1回しかないので、こっちでちょっといいところを見せたいのもあったので、悔しいです」と、ともに試合欠場の悔しさを口にした。

 そしてともに、2016年の復帰と、勝利を誓っている。

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