センバツ出場32校はどこへ!? 激論必至な四国地区、中国地区

松倉雄太

昨秋の神宮大会を制した四国地区の高松商(香川)。これにより神宮枠は四国地区に1枠与えられる 【写真は共同】

 第88回選抜高校野球大会(3月20日開幕)の出場校を決める選考委員会が29日に行われる。秋季大会の結果などから今大会出場のポイントになりそうな地区を見ていきたい。

 昨年9月16日の運営委員会で出場枠は例年通り、一般枠28校、21世紀枠3校、明治神宮大会枠1校と決まった。一般枠の内訳は以下の通り。
北海道→1
東北→2
関東・東京→6(関東4、東京1が基数となり残り1校を両地区で比較)
東海→2
北信越→2
近畿→6
中国・四国→5(中国2、四国2が基数となり残り1校を両地区で比較)
九州→4

高松商が神宮Vで四国に1枠増

 11月に行われた明治神宮大会では、四国地区代表の高松商(香川)が優勝した。これにより四国地区に明治神宮大会枠がもたらされた。ただし四国地区は中国地区と合わせて5校という形であり、1校増えることで6校となる。両地区の基数は四国3、中国2となり、四国の4校目と中国の3校目が比較検討されることになる。

 四国地区の高松商と明徳義塾(高知)、中国地区の創志学園(岡山)と南陽工(山口)と決勝に進んだ2校ずつは選出がほぼ確実。例年ならば準決勝で敗れた四国地区の済美(愛媛)、土佐(高知)、中国地区の開星(島根)、如水館(広島)が選考の土俵に上がる。

 まず3校目が比較される中国地区は、開星が優勝した創志学園に0対5、如水館が準優勝の南陽工に3対6で敗れた。点差だけならば如水館に分があるように見える。さらに開星は1回、2回で5失点。延べ8投手で必死に継投した如水館は7回まで1対1と食い下がった。この部分がどう評価されるかに注目が集まりそうだ。

21世紀候補でもある小豆島の実績

 続いて、4校目が比較される四国地区は済美が優勝した高松商に5対6、土佐が準優勝の明徳義塾に3対4とどちらも1点差だった。地域バランスでは不祥事からの復活を目指す済美に分があるように見えるが、土佐は延長10回のサヨナラ負け。さらにどちらも県3位校で甲乙つけがたく、試合内容以外の数字まで加味して詳細まで比較検討されることになりそうだ。また忘れてはならないのが小豆島(香川)の存在。四国大会では初戦敗退だったが、シード校だったためベスト8の扱いであり、全国で唯一秋の大会で高松商を破った(県大会決勝で2対1と勝利)という実績がある。

 時系列で先に決まる21世紀枠の選考次第では、この小豆島を選考の土俵に乗せてくるかもしれない。そして、両地区の比較で四国4、中国2のアンバランスな形になるのか、両地区を3校ずつにしてバランスを重視するのかも選考委員の腕の見せ所になると言えそうだ。

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著者プロフィール

 1980年12月5日生まれ。小学校時代はリトルリーグでプレーしていたが、中学時代からは野球観戦に没頭。極端な言い方をすれば、野球を観戦するためならば、どこへでも行ってしまう。2004年からスポーツライターとなり、野球雑誌『ホームラン』などに寄稿している。また、2005年からはABCテレビ『速報甲子園への道』のリサーチャーとしても活動中。

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