リオでメダルへ、ボッチャ・廣瀬隆喜 見据える先は東京での“金”
競い高め合うライバルの存在
日本代表のキャプテンである杉村(左)とはライバル関係。年末の日本選手権でも決勝で接戦を繰り広げるなど、お互いに高め合う存在として意識する 【写真:伊藤真吾/アフロスポーツ】
「負けていても、諦めなきゃ逆転できる」
ジャックボールを弾く技術を身につけたことで、ミスをしても、すぐに冷静さを取り戻し、新たな一手を考えられる選手になったのだろう。今では日本屈指のパワー系選手として存在感を示している。
そして、もうひとつ彼の強さのゆえんは、競い合うライバルがいることだ。廣瀬は、日本最高峰の選手権大会本大会で6度の優勝を誇る絶対王者。しかし、現在ナショナルチームのキャプテンを務める杉村英孝に、13年の第14回、第15回大会では日本一の座を奪われた。「すごい悔しいし、負けたくない」。高め合うライバルの存在も、廣瀬の闘志に火をつけている。
12月26日、27日、神戸で第17回日本ボッチャ選手権大会本大会が開催された。前回大会で優勝を奪還した廣瀬は、決勝戦で1−3と杉村に惜敗。連覇はならなかったが、最終エンドでロビングボールを繰り出す攻めの投球で意地を見せた。
「負けは悔しいけれど、どこにボールを置くべきだったのか戦略を考えるいい機会になりました。相手にジャックボールが見える位置にボールを投げてしまうなどミスが多かった。世界で強い選手は、ミスがない選手。次回に向けてまた頑張りたい」
もう一皮むけた廣瀬が、リオの地で表彰台に上がる姿を見たい。