母シーザリオ、兄エピファネイアの良血馬 初戦を制したリオンディーズの★評価は?

競馬専門紙「優馬」

競馬専門紙「優馬」の2歳馬チェック

 母にシーザリオ、兄にはジャパンカップを圧倒的な強さで制したエピファネイアという、超のつく良血馬リオンディーズ。素質馬揃いの新馬戦を難なく突破。気になるその評価は?

兄は怪物エピファネイア リオンディーズ

荒々しくデビューした期待の良血馬リオンディーズ(撮影:日刊ゲンダイ) 【(C)競馬専門紙「優馬」】

11/22(日) 京都5R 2歳新馬 芝2000m
リオンディーズ 牡 馬体重:500kg
★★★★★★★ 7点〔GIIIクラス〕
騎手:岩田康 厩舎:(栗) 角居 
生産: ノーザンファーム
父:キングカメハメハ
母:シーザリオ(スペシャルウィーク)

 内回りの2000m戦で、大外枠からのスタート。大きめのトビでスタート自体はそれほど速くはなかったが、基本的なスピードが高く、楽々と好位へ。道中は行きたがる素振りを見せ、鞍上が抑えるのに苦労するシーンも。それでも直線で軽く仕掛けると、能力の絶対値の違いで楽勝。レースの上がりが11秒8−11秒1−11秒0で、自身の上がり3Fが33秒4。まだ全能力を出し切ってはおらず、素質は兄エピファネイアと比べても見劣りはしない。

馬体診断
 春先よりも各部のパーツにメリハリが付いたのは調教を積んだ結果だろう。500キロの雄大な馬格ながら、柔軟性を感じさせる歩き方で、前肢の稼動域も広いのが好印象。やや曲飛節気味で繋ぎの長さも良い。欲を言えば、前肢の繋ぎにもう少し角度が欲しかった。ただ、瞬発力はある。脚元の各部もしっかりとサイズを確保しており、体質の弱かった全兄姉よりは丈夫なのだろう。まだ未完成な馬体で、成長の余地は十分。

血統診断
 母シーザリオは桜花賞でラインクラフトの2着の後、オークスを制覇。その後渡米してアメリカンオークスも勝った名馬。結局、このレースを最後に引退となり、現役通算6戦5勝2着1回。本馬の兄にエピファネイア(JC、菊花賞1着)がいる。ただし、前述したように全兄姉が体質の弱さを抱えて大成できず、母自身も兄のエピファネイアも脚元が原因で引退となっており、本馬にもその影は付きまとうだろう。そして兄同様にレースで行きたがる素振りを見せているのも不安材料であり、評価は下げざるを得なかった。

馬券の狙い目→まだ伸びしろあり。無事に行けば2000m〜2400m級の重賞は勝てる馬だが……。

母父サクラバクシンオーがトレンドに? エディクト

11/22(日) 東京3R 2歳未勝利 芝1800m
エディクト 牡 馬体重:496kg
★★★★★★ 6点〔OPクラス〕
騎手:田辺 厩舎:(美) 二ノ宮
生産:下河辺牧場
父:キングカメハメハ
母:サンクスノート(サクラバクシンオー)

レースを3Fごとに分割すると、35秒6−38秒3−35秒2の典型的な中緩み。これまで3戦はマイル戦で先行するレースをしていたが、今回は中団馬群の後ろに待機する作戦。3コーナー辺りから外を回って徐々に進出を開始、残り400m地点では持ったままで先頭集団に並びかけ、抜群の手応えのまま仕掛けての反応も鋭く、着差以上に強い競馬だった。

馬体診断
スラッとしていて馬体重の割りに細く見せるのは却って好印象。今回は1600mから1800mへの距離延長だったが、全く気にする必要はなかった。パドックではチャカチャカしていたが、それはいつものこと。むしろ今回は落ち着いていた方。前肢の硬さが若干気にはなるが、トモのラインや後肢のスナップの利きが良く、キレ味に長けたタイプだ。

血統診断
母サンクスノートは1200m〜1400mで活躍し、東京芝1400mで行われた京王杯スプリングカップ(GII)では、1分19秒8のレコードタイムで勝利を収めている。母の父サクラバクシンオーは近年勢いを付けてきており、ハクサンムーンやキタサンブラックなどを出している。個性の強いスプリンターでありながら、母の父に入ると父系の特徴を消さずに調和する印象がある。父キングカメハメハの同馬は1400m〜1800mがベストだろう。

馬券の狙い目→1400mや1800mといった非根幹距離が向くのかも。キレ味を生かす条件なら。

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著者プロフィール

競馬専門紙「優馬」のスペシャル競馬サイト。トレセンや競馬場という現場で記者やトラックマン達が仕入れてきた生情報を元に、予想記事やコラム記事を掲載しています。さらに、競馬ファンのニーズに対しダイレクトに応えていくようなコンテンツも展開。

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