母シーザリオ、兄エピファネイアの良血馬 初戦を制したリオンディーズの★評価は?
競馬専門紙「優馬」の2歳馬チェック
兄は怪物エピファネイア リオンディーズ
荒々しくデビューした期待の良血馬リオンディーズ(撮影:日刊ゲンダイ) 【(C)競馬専門紙「優馬」】
リオンディーズ 牡 馬体重:500kg
★★★★★★★ 7点〔GIIIクラス〕
騎手:岩田康 厩舎:(栗) 角居
生産: ノーザンファーム
父:キングカメハメハ
母:シーザリオ(スペシャルウィーク)
内回りの2000m戦で、大外枠からのスタート。大きめのトビでスタート自体はそれほど速くはなかったが、基本的なスピードが高く、楽々と好位へ。道中は行きたがる素振りを見せ、鞍上が抑えるのに苦労するシーンも。それでも直線で軽く仕掛けると、能力の絶対値の違いで楽勝。レースの上がりが11秒8−11秒1−11秒0で、自身の上がり3Fが33秒4。まだ全能力を出し切ってはおらず、素質は兄エピファネイアと比べても見劣りはしない。
馬体診断
春先よりも各部のパーツにメリハリが付いたのは調教を積んだ結果だろう。500キロの雄大な馬格ながら、柔軟性を感じさせる歩き方で、前肢の稼動域も広いのが好印象。やや曲飛節気味で繋ぎの長さも良い。欲を言えば、前肢の繋ぎにもう少し角度が欲しかった。ただ、瞬発力はある。脚元の各部もしっかりとサイズを確保しており、体質の弱かった全兄姉よりは丈夫なのだろう。まだ未完成な馬体で、成長の余地は十分。
血統診断
母シーザリオは桜花賞でラインクラフトの2着の後、オークスを制覇。その後渡米してアメリカンオークスも勝った名馬。結局、このレースを最後に引退となり、現役通算6戦5勝2着1回。本馬の兄にエピファネイア(JC、菊花賞1着)がいる。ただし、前述したように全兄姉が体質の弱さを抱えて大成できず、母自身も兄のエピファネイアも脚元が原因で引退となっており、本馬にもその影は付きまとうだろう。そして兄同様にレースで行きたがる素振りを見せているのも不安材料であり、評価は下げざるを得なかった。
馬券の狙い目→まだ伸びしろあり。無事に行けば2000m〜2400m級の重賞は勝てる馬だが……。
母父サクラバクシンオーがトレンドに? エディクト
エディクト 牡 馬体重:496kg
★★★★★★ 6点〔OPクラス〕
騎手:田辺 厩舎:(美) 二ノ宮
生産:下河辺牧場
父:キングカメハメハ
母:サンクスノート(サクラバクシンオー)
レースを3Fごとに分割すると、35秒6−38秒3−35秒2の典型的な中緩み。これまで3戦はマイル戦で先行するレースをしていたが、今回は中団馬群の後ろに待機する作戦。3コーナー辺りから外を回って徐々に進出を開始、残り400m地点では持ったままで先頭集団に並びかけ、抜群の手応えのまま仕掛けての反応も鋭く、着差以上に強い競馬だった。
馬体診断
スラッとしていて馬体重の割りに細く見せるのは却って好印象。今回は1600mから1800mへの距離延長だったが、全く気にする必要はなかった。パドックではチャカチャカしていたが、それはいつものこと。むしろ今回は落ち着いていた方。前肢の硬さが若干気にはなるが、トモのラインや後肢のスナップの利きが良く、キレ味に長けたタイプだ。
血統診断
母サンクスノートは1200m〜1400mで活躍し、東京芝1400mで行われた京王杯スプリングカップ(GII)では、1分19秒8のレコードタイムで勝利を収めている。母の父サクラバクシンオーは近年勢いを付けてきており、ハクサンムーンやキタサンブラックなどを出している。個性の強いスプリンターでありながら、母の父に入ると父系の特徴を消さずに調和する印象がある。父キングカメハメハの同馬は1400m〜1800mがベストだろう。
馬券の狙い目→1400mや1800mといった非根幹距離が向くのかも。キレ味を生かす条件なら。