秋山、三冠前哨戦で曙の荒技に屈辱失神 青木&佐藤が二丁拳銃を破りV2達成

高木裕美

曙の場外でのヨコヅナインパクトで失神した秋山。11.1三冠王座戦を前に暗雲 【横田修平】

 全日本プロレス「2015 ジャイアントシリーズ」最終戦となる23日の東京・後楽園ホール大会では、861人を動員した。
 セミファイナルでは、11.1青森県武道館で行われる三冠ヘビー級前哨戦として、曙&吉江豊&西村修&KENSO組vs.秋山準&大森隆男&渕正信&ウルティモ・ドラゴン組が激突。三冠王者・曙が「王道トーナメント」を制した秋山を公開処刑し、怪気炎を上げた。

曙の場外ヨコヅナインパクトに会場騒然

曙の場外でのヨコヅナインパクトに会場は騒然 【横田修平】

 曙は入場時、三冠ベルトを見せ付けるかのように秋山の前に立ちはだかると、試合権利を得た途端、串刺しプレス、エルボードロップ、ボディープレスの猛ラッシュ。突進してきた秋山を片手で受け止め、強烈な張り手を見舞う。たまらず場外でダウンした秋山に、今度は場外マット上でのヨコヅナインパクトを敢行。屈辱の失神となった秋山は戦列復帰することなく、渕が西村の逆さ押さえ込みに3カウントを献上した。
 ダメージの激しい秋山はノーコメント。一方、曙は三冠ベルトを悠然と掲げて引き揚げた。

青木&佐藤が二丁拳銃を破りV2達成

二丁拳銃を破りジュニアタッグリーグV2を達成した青木&佐藤組 【横田修平】

 今シリーズを通じて開催された「Jr.TAG BATTLE OF GLORY」最終公式戦では、青木篤志&佐藤光留の変態自衛隊(仮)が、これまで無敗であったヤンキー二丁拳銃こと木高イサミ&宮本裕向組を破り逆転優勝。昨年に続き2連覇を達成し、「もっと全日本を面白くする」と訴えた。
 インディーマット界で数々のタッグタイトルを獲得してきたヤンキー二丁拳銃は、トリッキーな攻撃と息の合った連係で青木、佐藤にペースを握らせず。青木が宮本にダイビングボディープレスを見舞うと、イサミがダイビングダブルニードロップでカットに入るなど、捨て身の攻めを見せる。だが、佐藤は得意のサブミッションでスタミナを徐々に削り、青木が宮本とのラリアット合戦を制してオブジェクトでフィニッシュ。2年連続で、ジュニアのタッグチームの頂点に立った。

 今シリーズ開幕戦の10.11後楽園大会で、ヤンキー二丁拳銃に敗れた金丸義信&ウルティモ・ドラゴン組が、アジアタッグ王座の返上を表明。青木&佐藤組も元王者組に勝利しているにも関わらず、決勝を待たずして11.15八王子大会で、ヤンキー二丁拳銃vs.鈴木鼓太郎&中島洋平組による新王座決定戦が発表された。だが、青木は「アジアはジュニアのベルトか? このリーグ戦は予選会か? 違うだろ!」と、現存する日本最古のタッグ王座を完全無視。「リーグ戦で優勝することがオレたちの目標。未来じゃなくて今を見ようぜ」と、ジュニアがメインイベントを飾る年に一度の祭りを盛り上げた自負から、さらに全日本マットを活性化すると吠えた。
 一方、あと一歩で敗れたヤンキー二丁拳銃だが、イサミは「日本の底辺からアジアまで行けるんだ。夢のある世界だぜ! ここから這い上がるぞ」と、アジアタッグ王座獲りと、変態自衛隊コンビへのリベンジを誓った。

諏訪魔と宮原が共闘 世界タッグ出場へ

諏訪魔と宮原健斗が共闘を表明。世界最強タッグ決定リーグ戦出場をアピール 【横田修平】

 諏訪魔にEvolution入りを誘われていた宮原健斗が共闘を表明。11.23後楽園で開幕する「世界最強タッグ決定リーグ戦」にタッグを組んで出場することになった。
 宮原は9.26後楽園でゼウスに襲われていた諏訪魔を救出。宮原のパートナーであった潮崎豪が退団したことを受け、 諏訪魔はEvolutionに宮原を勧誘。今大会を返答期限に定めていた。

 この日はゼウスを交えた3WAYマッチで激突。宮原に迫る諏訪魔をゼウスが妨害する形で幕が開き、ヘビー級ならではの激しい肉弾戦となるも、次第にゼウスが暴走。パイプイスを手に2人に殴り掛かり、制止しようとしたボンバー斉藤レフェリーを場外へ投げ捨てたため、ノーコンテストの裁定が下された。
 試合後、改めて返答を求める諏訪魔に対し、宮原は「オレはアンタの下に就くつもりはない。すなわち、Evolutionに入るつもりもない。おまえだけを利用させてもらう」と、ユニット入りは拒否したものの、最強タッグでのコンビ結成を要求すると、諏訪魔も握手で呼応。宮原は「最強タッグ、オレがどんどん面白くするぞ」と宣言した。

22歳の新人・佐藤恵一がはつらつデビュー

22歳の元高校球児・佐藤恵一がデビュー 【横田修平】

 22歳の新人・佐藤恵一がデビュー。「秋山さん、小橋さんに認めてもらった」というオレンジのショートタイツで、同じ野球経験者である金丸義信と対戦。ドロップキック、フライングボディーアタック、ミサイルキック、ブレーンバスターなどを披露した。金丸のハリウッドスタープレスに沈んだものの、はつらつとしたファイトで観客を沸かせた。
「忘れられない一日になった」と、たくさんの人達に支えられてのデビュー戦を振り返った佐藤は「ジュニアで活躍する選手たちに並んで、必ず超えたい」と飛躍を誓った。
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著者プロフィール

静岡県沼津市出身。埼玉大学教養学部卒業後、新聞社に勤務し、プロレス&格闘技を担当。退社後、フリーライターとなる。スポーツナビではメジャーからインディー、デスマッチからお笑いまで幅広くプロレス団体を取材し、 年間で約100大会を観戦している 。最も深く影響を受けたのは、 1990年代の全日本プロレスの四天王プロレス。

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