第2戦を取ったほうが有利はウソ!? 日本シリーズにまつわる記録集

週刊ベースボールONLINE

24日からの日本シリーズを前に握手を交わすソフトバンク・工藤公康監督(左)とヤクルト・真中満監督 【写真は共同】

 いよいよ開幕する日本一の栄冠を懸けた頂上決戦。ここでは日本シリーズ観戦がより楽しくなるさまざまな記録にスポット当ててみたい。第2戦が大事説はウソ、ホームアドバンテージなどない(!?)などの日本シリーズにまつわる説を記録から検証していきたい。

第2戦が大事説は記録上では根拠なし

監督として日本一6回の名将・森祇晶氏は日本シリーズについて第2戦必勝説が自説だった 【写真=BBM】

 同じ1勝なら第1戦に勝つのが有利かそれとも第2戦か。第2戦が大事だと主張するのは日本シリーズに選手として13度、監督としても8度出場し、合計19度の優勝経験のある森祇晶氏である。

「第2戦に勝つと、移動日を経て気持ちよく第3戦を迎えられる。それこそ第3戦がホームなら気分よく帰れるし、ビジターなら勇んで敵地に乗り込める」

 しかし、丹念に記録を調べていくと第2戦有利の根拠は見当たらない。昨年まで65度の日本シリーズで勝ったチームの回戦別の勝率を見ると、第1戦は40勝23敗2分けの6割3分5厘なら、第2戦は41勝24敗の6割3分1厘と大差ない。2008年から3年続けて第1戦の勝者が日本一になっているが、11年からの日本一チームは12年を除いて第1戦に負けている。1戦か2戦か、どちらが有利かは結論を出せない。【A表参照】

表A:日本一球団の回戦別成績 【BBM】

 それでも1、2戦を連勝すれば絶対有利なことは間違いない。昨年まで1、2戦で連勝したのは30回あるが、23回は日本一だから確率にすると76.7パーセントだ。過去の日本一チームの成績を奇数戦、偶数戦で分けるとこうなる。

・奇数試合 149勝62敗4分 勝率 7割6厘
・偶数試合 112勝59敗3分 勝率 6割5分5厘

 ここにきて、奇数戦に強いのが有利の線が出てくる。第1戦から○●○●○●○と奇数戦に全勝して日本一になったチームはなく、偶数戦に全勝したチームもまだない。

 史上初のこの奇数戦あるいは偶数戦全勝を実現しかかったのは09年の巨人だ。日本ハムを相手に第1戦から○●○●○できて、第6戦に負けて第7戦に勝てば実現するところだったが、第6戦で2、6回に挙げた各1点を6投手による継投で守り切ったので、○●順繰りの日本一は実現しなかった。

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