第2戦を取ったほうが有利はウソ!? 日本シリーズにまつわる記録集
24日からの日本シリーズを前に握手を交わすソフトバンク・工藤公康監督(左)とヤクルト・真中満監督 【写真は共同】
第2戦が大事説は記録上では根拠なし
監督として日本一6回の名将・森祇晶氏は日本シリーズについて第2戦必勝説が自説だった 【写真=BBM】
「第2戦に勝つと、移動日を経て気持ちよく第3戦を迎えられる。それこそ第3戦がホームなら気分よく帰れるし、ビジターなら勇んで敵地に乗り込める」
しかし、丹念に記録を調べていくと第2戦有利の根拠は見当たらない。昨年まで65度の日本シリーズで勝ったチームの回戦別の勝率を見ると、第1戦は40勝23敗2分けの6割3分5厘なら、第2戦は41勝24敗の6割3分1厘と大差ない。2008年から3年続けて第1戦の勝者が日本一になっているが、11年からの日本一チームは12年を除いて第1戦に負けている。1戦か2戦か、どちらが有利かは結論を出せない。【A表参照】
表A:日本一球団の回戦別成績 【BBM】
・奇数試合 149勝62敗4分 勝率 7割6厘
・偶数試合 112勝59敗3分 勝率 6割5分5厘
ここにきて、奇数戦に強いのが有利の線が出てくる。第1戦から○●○●○●○と奇数戦に全勝して日本一になったチームはなく、偶数戦に全勝したチームもまだない。
史上初のこの奇数戦あるいは偶数戦全勝を実現しかかったのは09年の巨人だ。日本ハムを相手に第1戦から○●○●○できて、第6戦に負けて第7戦に勝てば実現するところだったが、第6戦で2、6回に挙げた各1点を6投手による継投で守り切ったので、○●順繰りの日本一は実現しなかった。