リアファルは最後の一冠狙える器 音無調教師に聞く芝転向の真相と手応え

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菊花賞の主役に躍り出たリアファル、音無調教師に芝転向の秘密を聞いた 【netkeiba.com】

 皐月賞・日本ダービーで圧倒的な強さを見せつけたドゥラメンテが骨折で戦線離脱を余儀なくされ、最後の一冠・菊花賞は、混戦ムードを呈してきた。春の実績馬か夏の上がり馬か。さらに今年は異色の経歴を持つ有力馬が現れた。ダートで6戦2勝、交流重賞2着の実績を持ちながら、神戸新聞杯を制したリアファルだ。なぜここにきて芝に転向したのか。管理する音無秀孝調教師を直撃した。(取材・文:大恵陽子)

日本ダービーに出走したかった

本来ダート馬とは思っておらず、「皐月賞や日本ダービーに行きたかった」と振り返った音無調教師 【netkeiba.com】

「元々、芝馬だと思っていたんです」

 音無秀孝調教師はそう切り出した。「兄クリソライト(牡5、音無厩舎、ジャパンダートダービーなどダート重賞3勝)のイメージや、脚元がまだしっかりしていなかったこともあって、新馬戦はダートを使いました。でも、兄が父ゴールドアリュールなのに対し、リアファルは父ゼンノロブロイですから、いつかは芝をと思っていました。この兄弟のお母さんのクリソプレーズがうちの厩舎にいて、共に生産ノーザンファーム、馬主キャロットファームなので、その縁で預かることになりました。お母さんは、芝馬だったんですよ」

 クリソプレーズは芝1800mと2000mで3勝を挙げた。

「春に芝の若葉Sを使う予定で放牧に出したところ、放牧先でソエを痛がったんです。帰厩後、痛みは治まっていましたが、大事を取って再びダートを使いました。でも、悔しかったですね。結果的に2400mの神戸新聞杯を勝ったんですから、若葉Sから皐月賞や日本ダービーに行きたかったですね。春は会員のみなさんにもご迷惑をおかけしてしまって申し訳ない気持ちです」

 若葉Sを見送った代わりに、4月5日に出走した伏竜S(OP、中山ダ1800m)では、世代トップクラスのダート馬と名高かったクロスクリーガーにタイム差なしのところ(2着)まで迫った。続く交流重賞・兵庫CS(5月6日、JpnII、園田ダ1870m)でもクロスクリーガーの2着に敗れたものの、3着以下は大きく引き離していた。その後、鳳雛S(5月24日、OP、京都ダ1800m)では、果敢に逃げるも直線で後続につかまり3着。そして、満を持して芝のレースに出走する日が来た。

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