セ・リーグのドラフト補強ポイントは!? ヤクルトは高山指名を公言 巨人は外野手

ベースボール・タイムズ

阪神、藤浪に続く若手不在の解消を

東京農業大北海道オホーツク・井口和朋は高齢化を迎えた阪神中継ぎ陣に新風を巻き起こせる存在 【写真は共同】

 4年間続いた和田体制に終止符を打ち、“鉄人”金本知憲監督の下で猛虎再建を目指す阪神。コーチ陣も刷新してのスタートに期待が高まるが、現有戦力を見ると決して順風満帆の船出というわけにはいかない。むしろ問題は山積みだ。

 投手陣は「新エース=藤浪晋太郎」と聞こえはいいが、それに次ぐ若手が不在。当面は能見篤史、岩田稔とメッセンジャーに頼り、岩崎優らの成長を期待することになるが、将来を考えると藤浪と並ぶエース候補の有望株を加えたい。その上で来季の戦いを考えるならば、即戦力の中継ぎが必要。いつまでも福原忍、安藤優也のベテランコンビに頼るわけにはいかず、左も高宮和也のみ。例え下位でも指名すべきだろう。
 
 野手陣を見ると、福留孝介が38歳で、鳥谷敬も34歳。期待の若手に唯一、江越大賀の名前が挙がるぐらいで新戦力の獲得は投手陣以上に求められる。捕手にも梅野隆太郎のライバルが必要。今ドラフトでは、上位で即戦力野手を指名するとともに、5年後、10年後を考えた高校生野手の指名も期待したい。これまで“ドラフト下手”、“育成下手”の烙印を押されてきた阪神球団だが、監督交代を機にその汚名も返上してもらいたい。

●スポーツナビ推薦選手

高橋純平(県岐阜商高)
井口和朋(東京農業大学北海道オホーツク)

 タテジマのエースを担える逸材として150キロ右腕の県立岐阜商高・高橋純平を指名したい。3年後には2ケタ勝利も可能で、藤浪との二本柱も夢ではない。高齢化を迎えた中継ぎ陣に新風を巻き起こせる存在として、速球派右腕の東京農業大北海道オホーツク・井口和朋を挙げる。

広島、第一の課題は得点力不足の打線

強肩、俊足が魅力の関東一高・オコエ瑠偉。打撃は荒削りなものの、その素材は広島野球に合うはず 【写真は共同】

 黒田博樹が復帰し、優勝への期待が高まった広島だったが、結果は4位。2年連続で進出していたCSも逃す結果となった。第一の課題は得点力不足に喘いだ打線。次に、シーズン途中から大瀬良大地を配置転換せざるを得なかったリリーフ陣となる。

 野手陣は、會澤翼、菊池涼介、田中広輔、丸佳浩のセンターラインがいずれも20代で、今後数年間は心配無用。さらに昨年の1位指名・野間峻祥に、“至宝”堂林翔太らも控える。投手を優先しながらも、年齢分布的には高卒の外野手の指名も検討したいところ。新井貴浩は38歳で、栗原健太は今季限りで退団。その系譜をたどる赤ヘルの和製大候補が欲しい。

 先発陣は黒田に加え、エース・前田健太、ジョンソンの3本が結果を残したが、去就も含めて来季以降は未確定要素が多い。大瀬良の他、福井優也、野村祐輔、九里亜蓮、戸田隆矢、薮田和樹らが控えるが、そこに次代のエース候補をもう一枚加えたいところ。そして1年目からフル回転できる中継ぎの即戦力の獲得も不可欠。今季の成績は不満も、一岡竜司、今村猛、中崎翔太と右は枚数がいるだけに、できれば左腕を加えたい。

●スポーツナビ推薦選手

オコエ瑠偉(関東一高)
近藤均(王子)

 肩と足は超高校級のオコエはスピード野球を標榜する広島にもピッタリ。一発のある打撃は荒さがあるものの、逆を言えばまだ伸びしろがある。近藤は今夏の都市対抗で一躍ブレイクした。先発、中継ぎとどちらもこなせる実戦派右腕。

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著者プロフィール

プロ野球の”いま”を伝える野球専門誌。年4回『季刊ベースボール・タイムズ』を発行し、現在は『vol.41 2019冬号』が絶賛発売中。毎年2月に増刊号として発行される選手名鑑『プロ野球プレイヤーズファイル』も好評。今年もさらにスケールアップした内容で発行を予定している。

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