宇佐美「もっとチームを引っ張りたい」 W杯アジア予選 シリア戦後のコメント

スポーツナビ

宇佐美は「良い流れを作るゴールになった」と久しぶりの得点を喜んだ 【写真は共同】

 サッカー日本代表は8日、オマーン・シーブスポーツスタジアムでシリア代表とのワールドカップ(W杯)アジア2次予選兼アジアカップUAE2019予選に臨み、3−0で勝利した。ロングボールを中心に仕掛けてくる相手に対し、落ち着いて守備から試合に入った日本はスコアレスで試合を折り返すと、後半10分に得たPKのチャンスを本田圭佑が冷静に沈めて先制する。これで勢いに乗った日本は、岡崎慎司、宇佐美貴史が立て続けに追加点を奪い勝利。首位攻防戦をモノにした日本がグループEの首位に立った。

 試合後、宇佐美は「後から出てチームを引っ張る活躍をしていかないといけない」「これからどういう時間帯に出ても点を取っていく」と、試合を決定付ける3点目を決めながらも、さらなる向上を口にした。本田も試合への一定の評価を口にしつつも「相手によって前半の中でも(戦い方を)変えられたらもっと強いチームになれる」とチームの今後を見据えていた。

宇佐美貴史(ガンバ大阪)

「良い流れを作るゴールになった」

(この勝利はどういう意味を持つか)途中から出たら、結果は出していかないといけないと思います。そういう意味では良い流れを作るゴールになったと思います。(監督からの指示は)主に攻撃的な部分でアドバイスされました。持った後の仕掛けで(点を)取って来いという指示はありました。

(これでグループ首位だが)もっともっとチームの真ん中と言うか、後から出てチームを引っ張る活躍をしていかないといけないと思います。そのためには、まず途中から出てしっかり結果を出すこと。代表での活躍もチームでの活躍も求められますし、そういう部分でしっかり活躍してから、自分が目指すべきところに行けるようにしっかりやっていきたいと思います。(次はイラン戦だが)同じく厳しい試合になると思います。個人としても結果を求めてやっていきたいと思います。

(代表で2点目まで約半年かかったが)そうですね。まあでも焦りはしていなかったですし、そんなに長かったという感覚はないです。これからしっかり、どういう時間帯に出ても点を取っていくことを大事にしたいと思います。(親善試合とW杯予選のゴールは違う?)いや僕はゴールも出場することも、まったく変わらないですし、どんな試合にせよ、ゴールにせよ、アシストにせよ、結果にせよ、重みを持つのがA代表だと思うので、そこは特に変わるとは思っていないです。(監督の期待に応えられたという意味でも大きい得点だった?)そうですね、はい。ああいう形でしたけれど、しっかり3点目を取ってダメを押したところは良かったと思いますし、試合に出してもらっているので、途中からでも、しっかりと期待には応えないといけないと思っています。今日はとりあえず良かったなと思います。

本田圭佑(ACミラン/イタリア)

シリアとの対戦を振り返り「あれだけ来るとは思っていなかった」とコメントした本田 【写真は共同】

「あれだけ来るとは思っていなかった」

 前半と後半(の違い)は、もちろん相手がバテたという分析もできると思いますけれど、こっちのやり方も明らかに変えた。前半は(選手同士の)距離間が遠くて、後半は両サイドの原口と僕が中に絞ることで、(山口)蛍、僕、(香川)真司が前半になかった形で前を向いて効果的に(攻撃ができた)。もちろんそれを前半にやっていても、相手も元気だったので、取られる場面も増えたかもしれないです。どうせ取られるなら、幅を広くして孤立して取られるのではなくて、日本らしい攻撃を仕掛けて、コンパクトにしていることで、すぐにプレッシャーに行けるという形を取った方が良かったかなと思います。今日は、あれだけ相手が来るとは思っていなかったというのが正直なところ。シリアはけっこう強気に来ましたよね。だから後半バテたのは当然だと思います。

(本田が中に入ったり、逆サイドに入ることで宇佐美や香川とのコンビネーションが生まれた?)中に入っていないとできないプレーは何度か見せることができました。外に張っていても、特に僕みたいなタイプは何もできないまま終わってしまう。僕みたいなタイプは中に入ってやった方がチームとしてもコレクティブにプレーできるし、原口の方がドリブルが得意だから、そっちは(サイドに)張るとか、もうちょっと使い分けるとか。チームとして攻撃パターンが両極端になるんじゃなくて、相手によって前半の中でも変えられるならもっと強いチームになれるかな、そういう反省点はありますね。

 監督も言っていると思うけど、普段からもう少し(代表で)練習を積めたらいいけれど、それはどのチームも平等なんでね。とは言え、海外のチームはクラブに戻っても同じような代表メンバーでやっているところもある。日本だと最近は2人くらいがマックスなのかな、同じチームにいるのが。それが3人、4人、5人がビッグクラブにいれば、それこそ強い時代が来るし、そこを目指していかないとダメだと思います。

香川真司(ドルトムント/ドイツ)

試合への評価を口にしながら「シュートをあまり打てなかった」と課題も口にした香川 【写真は共同】

「シュートをあまり打てなかったのは課題」

(前半は相手のマークが激しく苛立つシーンも見られたが)なかなかボールがつながりにくかったので、難しさは感じました。ただ、やはり前半は彼らも激しく来ますし、ホームなので、1点取りに来ていた。前半は失点を避けて、なおかつ1点取れればいいなという感覚でやっていました。後半もあるので慌てることなく、まずはしっかりと焦らずに、粘り強くやっていこうとは言っていました。だからある程度ボールをつなげないのは仕方ないというのは予想していました。

(後半に向かうにあたって意識したことは?)プレスが弱まったり、中盤が空いてきたりしたので、「ボールを出せるな」という気持ちが後半立ち上がりからあった。うまく相手の裏を岡ちゃん(岡崎)がついてPKを取って、その1点も自分たちに対してさらに勢いをもたらしてくれました。2点目も良い時間帯だったので、その後ちょっと相手にチャンスを作られましたけれど、その流れを断ち切ってまた3点目というしっかりと流れを自分たちのペースでつかんで、点を取るところで取り切れたので良かったです。

(ゴール以上に周りへのお膳立てで貢献するという意識でやっていた?)そうですね。もちろんサイドからチャンスは作れていたと思いますし、中が固かったので、そういう意味ではうまくサイドの選手を使いながらというのは意識していました。ゴール前でのシュートはあまり打っていないイメージがあるので、自分の中でそこは課題です。

(次はアジア最高レベルのイランが相手だが)アウェーで難しい試合になると思いますし、まずはしっかりリカバリーをして、どれだけ自分たちがやれるのか。イランも良いチームですし、そのチームにしっかりと対応して、90分間通して自分たちの展開にできるようにやっていきたいと思います。

岡崎慎司(レスター・シティ/イングランド)

岡崎は得点シーンを「仕事をできたのはFWとして大事」と振り返った 【写真は共同】

「仕事をできたのはFWとして大事」

(前半は相手が厳しく来て苦しんだが)相手がよくやっていたと思うし、我慢かなってところはあった。自分たちも今まで引いてきた相手ばかりだったので、戦い方的にも足元足元というのが多かった。もうちょっとバリエーションを増やしてもいいかなと思う。アジアでもシリアみたいに前線で残ったりするチームもこれから出てくると思うので、次(イラン戦)なんかもっと試してもいいんじゃないかと思います。バリエーションがあまりにもなくてみんなきつかったし、体もきつかった。相手の気迫も良かったので、これがずっとは続かないだろうというのは自分たちもあったので、失点をゼロで抑えられたのは良かったです。相手にもチャンスがあって、厳しい戦いだったと思うので。

(PKをもらったシーンの抜け出しは得意な形だと思うが)そうですね。相手が前からガンガン来ていて、その裏を取れるなとは思っていたので、一発取れたのは良かったです。ただ相手がガツガツ来ている中でもっとできたこともあると思うので、そこは反省もあると思います。

(ゴールシーンも良いタイミングで飛び出したが)そうですね。その前に宇佐美からの決定的チャンスを決められなかったので、ああいうところでもう1点決めていればというのもある。ただ仕事をできたというのはFWとしてやっぱり大事だし、チームの決定的チャンスでPKを取って2点目も決めたというのは次につながると思います。

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