スピードの頂点へいざ武豊ベルカント 充実の夏、その舞台裏を直撃
夏のスプリント女王から真の頂点へ、武豊ベルカントがスプリンターズSに挑む 【netkeiba.com】
怪我の功名で掴んだチャンピオン
賞金が少なかったため実は夏のローテーションが厳しかったと振り返った角田調教師 【netkeiba.com】
「この夏は、賞金が少なかったのでローテーションが難しかったんです」
古馬になった今年の2戦をともに2桁着順で終え、放牧に出たベルカントは、6月21日の函館SSを目標に、5月下旬に栗東に帰ってきた。
「出られたら、という条件で予定していたんですが、賞金的に出られなさそうだったので、早い段階でCBC賞に切り替えました」
予定を2週間後にずらし、CBC賞では出走枠に入った。しかし、レース直前の金曜日、同厩舎の馬に蹴られてしまう。右肩部挫創。無念の出走取消となった。
「こちら側のミスで申し訳なかったです。幸い大事には至らず、1〜2日休ませただけで、すぐに乗り始めることができました」
再び予定はスライドする。しかし、ケガの程度が軽かったため、CBC賞から2週間後のバーデンバーデンCに出走できる状態に整った。
「アイビスSDも出走できそうだったので、重賞の方がいいと思いそちらを選択しました。14番目くらいで、ギリギリでした」
その選択の正しさを結果が証明した。1000m戦で、2馬身差の完勝。久々のレースで、見事1番人気に応えた。
「オーナーに心配と迷惑をかけましたが、レース後に『怪我の功名だったな』と言っていただき、ありがたかったです。ここでしっかり攻められたことが逆に良かったのかな、と思います。僕らの考えている枠を飛び越えてどんどん良くなっていきました」