藤波Jr.に正念場!? 1日2試合の奮闘も…自分のカラーを身につけ二世からの脱出を
緊急手術のため欠場した藤波が、代役として1日2試合を行った長男LEONAをねぎらった 【横田修平】
緊急手術の藤波は完全復活を約束
持病でもある椎間板ヘルニアに加え、脊柱管狭窄症も併発したことから、9月3日に都内の病院で緊急手術を受けた藤波。ファンに完全復活を誓った 【横田修平】
藤波は欠場のお詫びとして、来場したファンとの記念撮影会を実施。リング上から「記念シリーズに最高の状態で上がりたかったが、20数年痛めていいた腰が限界となり、これからも少しでも長くリングに上がるため、初めて腰にメスを入れることを決断した。近いうちに必ずリングに戻ってきます」と、完全復活を約束すると、大きな拍手と歓声が沸き起こった。
WWE経験者FUNAKIは伸びしろに期待
LEONAは第3試合でWWEでも活躍したFUNAKIと一騎打ち。エルボー、ブレーンバスターなどで見せ場を作った 【横田修平】
LEONAのWWEトライアウトも見ていたというFUNAKIは「実際に肌を合わせてみて、可能性を感じた」と今後の伸びしろに期待した 【横田修平】
今年7月のWWE日本公演の際、トライアウトを受験したLEONAを見ていたというFUNAKIは、「実際に肌を合わせてみて、可能性を感じた。お父さん(藤波)とはやったことがないけど、ドロップキックとか、お父さんに似ていると思った。これからも何回でも当たりたい」とLEONAを絶賛。これからの伸びしろに大きな期待を込めた。
高山に果敢に挑んだメインイベント
NOSAWAとの張り手合戦 【横田修平】
“帝王”高山にはドロップキック連発で必死に攻めた 【横田修平】
最後は高山のエベレストジャーマンの前に沈んだ 【横田修平】
それでもLEONAは、船木に対し、自らタッチを要求。船木がハイブリッドブラスター、鈴木がダブルアームスープレックスという必殺技を繰り出し、猛烈アシストをすると、LEONAも鈴木とともにバッファローを合体ブレーンバスターで投げ、高山にドロップキックを連発。だが、それ以上の決め手に欠き、高山の抱え込み式バックドロップ、エベレストジャーマンスープレックスの猛攻に沈んだ。
辛辣な船木「もっと死に物狂いで」
タッグを組んだ船木は「もっと死に物狂いでやらないと、藤波さんに追いつかない」と厳しい檄 【横田修平】
この船木からの言葉に、LEONAは何も言い返せず、悔しそうにドアを叩いて、ノーコメントで控室に直行。実にほろ苦いシリーズ開幕戦となった。
デビューから恵まれた環境
恵まれた環境でデビューしたLEONA。今年5月には鈴木みのると一騎打ちで対戦した(写真は5月の実る戦) 【横田修平】
LEONAがWRESTLE−1に参戦した際、ヒール軍団デスペラードから「ドラ息子」と揶揄されたことがあったが、実際、現在リング上で活動する“2世レスラー”の中でも、LEONAの環境は非常に恵まれていると言っていい。
IGFの橋本大地は“破壊王”と呼ばれた父・橋本真也さんを幼くして亡くしているし、DDTプロレスでKO−D無差別級王者となった坂口征夫は、父である“世界の荒鷲”坂口征二さんの背中を見て育ちながらも、身長が低いため一度はプロレスの道を断念し、建設会社に勤務。総合格闘技を経てプロレスに転向した。“力道山三世”力に関しては、父・光雄が当時副社長を務めていたプロレスリング・ノアで入門テストを受けたものの不合格となり、30歳を過ぎてようやくプロレスラーになる夢を叶えている。
大きく飛躍するか、ドラ息子のままか
藤波の欠場を受けて1日2試合の代役を務めたLEONA。ほろ苦い結果にノーコメントで会場を後にした 【横田修平】
ただ、もうじきデビューから2周年。もはや「新人」という枠から飛び出し、「藤波Jr.」以外のカラーを身につけなければならない時期に来ている。この日の2試合でも、ひたむきさは伝わったが、何かをやってくれそうな期待感、見る者の目を奪うような驚きは感じられなかった。偉大なる父親の代役をこなすこのシリーズ残り2戦で、大きな飛躍を遂げられるのか。それとも、“ドラ息子”のままなのか。まだ22歳のLEONAが、どこまで化けるのか、まだまだ追い続けたい。
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