バスケ新リーグの階層分けが決定 1部は18クラブ、3地区制も導入

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階層分け決定の経緯について

3カンファレンス制導入について、地区分けを発表する大河理事(左) 【写真提供:JPBL】

大河 どういう基準で1部・2部・3部を決定したかということについて、簡潔にご説明をさせていただきます。1部と2部の間には(未確定な状態で)15クラブありましたが、その中でもうすでに売り上げ規模2億5000万円以上を確保していて、あとはアリーナのところの確実性を確認すること、これがポイントであった日立と滋賀……。こちらについては、アリーナの状況が確実であろうと判断されたので、この2クラブをまず1部と決めさせていただきました。

 さらに売り上げ規模が2億5000万円にほぼ届いている状況の中で、アリーナについてしっかりと行政から支援が出てきた。そして財力の安定性に少し課題があったところを見事にクリアされる見通しが立ってきた。ということで新潟、北海道の2つも1部と決めさせていただきました。

 残る2つを決めていくために、皆さんと相当な議論をしました。例えば、ポイントとしましたのは現在の事業規模、1年先2年先に確実だと思われる事業規模。さらに債務超過などの財務の安定性、クラブの株主構成の安定性、経営者の状況。それから行政の支援、アリーナがすでにあるのか、これからできるのか。リーグの所属経験年数の問題――。こういったことをトータルに比較しました。あと2クラブを選定するにあたって、残ったクラブが4クラブあります。具体的には岩手、横浜、富山、島根の4クラブが、そういった相対比較の中で上位に来ました。

 行政の熱烈な支援、大きなスポンサーが獲得できる、売り上げ規模を相当アップできる見込みのある横浜をまず選びました。最後に僅差ではありましたけれど、富山が他の2クラブよりも、そういった基準のスコアリングをしたときに、上回ることになりました。そうやって最終的に6クラブを選定したという手順です。

 残念ながら1部に入れなかった中の8クラブを、2部に入れさせてもらいました。それが岩手、山形、群馬、信州、西宮、広島、島根、熊本。2億5000万円とか、アリーナという条件がある程度見えてきている中で、相対比較した中、2部に回っていただくことになってしまったということです。

 最終的に2部が18クラブになります。2部はすでに5クラブを発表していて、1部に残念ながら入れなかったクラブが8つありました。さらに2部と3部の間にあったクラブから5つを2部に上げたということになります。

 今、来年のシーズンの参入条件を決めています。大きなポイントとしては財務がしっかりしているか、キャッシュフローが回るのか。それから行政の支援、並びにアリーナの状況といったところを見せていただきました。結果として東京エクセレンス、東京Z、つくば、鹿児島が上がってきました。

 実はまだリーグ戦に一度も参入していないクラブからの申し込みが3つありました。金沢、大分・愛媛、八王子の3クラブから申し込みがあったのですが、その中で地元バスケ協会の支援、行政の支援、さらにメインとなるスポンサーの状況を総合的に判断して、財務的に確実性が一番高いと思われる大分・愛媛を2部に入れさせていただきました。残念ながらそういった選考の過程で埼玉、東京サンレーヴス、八王子、金沢、福岡の5つが3部に回ることになりました。簡単ではありますが、振り分けの条件、選考過程の状況をご説明いたしました。

 もう一点、今日の追加発表といたしましては、来年16年から始まります新リーグでは、日本のプロスポーツリーグとして初めての、3カンファレンス制を導入します。1部と2部の間、2部と3部の間にも昇降格の制度を設けます。従いまして上位争いだけでなく、シーズン終盤まで目の離せない残留争いが繰り広げられるはずです。東地区、中地区、西地区、それを1部・2部とも適用し、地区分けを行いたいと考えています(3部は適用しない)。

なぜ3地区制を導入するのか

――1部18チームの顔ぶれをご覧になった感想は? 3つのカンファレンスに分けること、入れ替え戦の導入を決めた理由は?

川淵(カンファレンス制の理由は)全国をカバーして試合をするのは、当然コストがかかります。地域で分けることは、コストの低減に役立つのと、近くの県との対抗戦は、ダービーマッチに似たところもあって、試合そのものが盛り上がるだろうということです。私として一番残念なのは中国地方、四国、九州から1部に入るクラブがなかったということです。最後までこれにはこだわったんですけれど、われわれは高いハードルを設けていて、そのハードルを越えられないのに、越えたクラブをさておいて地域性を第一に考えるのは問題がある。ということでそれを第一優先にできなかったということです。そこはちょっと残念な気持ちもしますけれど中国地方、あるいは四国、九州のクラブに一生懸命頑張ってもらって、ぜひ1部に入ってほしいなと心から願います。

――3地区制が導入されるということだが、今の段階でプレーオフ、ファイナルの構想は?

川淵 大体の構想はあります。それは優勝チームを決めるプレーオフと、降格・残留を決めるプレーオフの両方があります。大体の方向性は決まっていますけれど、これは新しくスタッフが決まった後の委員会で最終的に決めたいと考えています。

――昇格・降格の基本的な考え方を伺いたい。勝敗でなく勝ち点という考え方を入れるのか? 独自の違う要素を入れて考えるか? 努力、強化ポイント的なものも考慮するのか?

川淵 2部から1部に上がる場合、ハードルをクリアしない限り上がれないことは大前提です。今おっしゃったように長期計画は確固たる計画ならば加味して考慮の中に入れるということになりますね。それからバスケットボールの場合は、初めに勝率という話が出ましたけれど、要は勝ち負けです。3つのカンファレンスに分かれていて、おのおのの優勝チームと、2位の勝利数の多いところで優勝を争うというようなことが、優勝決定プレーオフの一つの条件ですね。

 今考えているのは各カンファレンス内で6試合、そして他のカンファレンスとは2試合……。ということは54試合(5チーム×6試合+12チーム×2試合)が最低で、あと日程的に余裕があるので60試合くらいやれないかなということです。対戦相手(の所属カンファレンス)が仮に違ったって、アメリカの大リーグだって全部そうですから、そういったやり方もあるのかなと。そこまでの検討はしていませんけれど、試合数は増やしたいなと思っています。

 入れ替え戦は下の2つを自動入れ替えにして、1つを入れ替え戦という考え方でいます。今は実力の感じが分かりませんから。いずれはJリーグのように3チーム自動入れ替えにするべきだと僕は思っていますが、2部と1部の実力差が極端にあった場合も考えて、3位のチームは入れ替え戦をやった方がいいというのが現状です。3年くらいはそういう方向で行くと思います。その場合、東地区の勝敗がすごく良くて、中地区の勝ち負けがはるかに劣る場合は、こっち側(中地区)が下に落ちるプレーオフに進むというやり方になるので、いずれにしても4チームでプレーオフは争って、そのうち2つが自動入れ替えで、1つが入れ替え戦に進むというやり方にしようと思っています。各委員会が9月以降にできるんですが、その中でわれわれの案を提示して、検討して、みんなの合意を得て結論を得たいと思います。

 引き分けは設定しません……。と僕は思っているんだけど、現場の人がやってくれというなら僕はあえて反対しません。バスケットで引き分けってあるんですか? ないですよね。たぶんないでしょう。

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