元巨人・星野真澄が目指す、次なる目標 新天地で生かすプロ野球の経験

週刊ベースボールONLINE

充実にあふれた男の「目」

5月31日にオープンしたばかりの溝の口店で働いている星野。お客さんのニーズに合わせながらアドバイスを送り、笑顔で対応している 【写真=BBM】

 股関節の手術後、誰しもが1軍での復活登板を願っていた巨人の星野真澄だが、2014年オフに戦力外となりトライアウトを受けた。しかし、手を挙げる球団はなく現役引退。一方で、12年に手術した股関節は悲鳴を上げていた。そこへ「ゴールドジム」の社長が声をかけ、投手コーチ兼投手兼トレーナーとして採用が決まった。入社して6カ月。大きな2つの目標を成し遂げるため、寝る間を惜しんで前に進んでいる。

 生きがいを見つけた男の「目」は充実感にあふれている。

 星野真澄はまさに今その状況にいる。フィットネスクラブ・スポーツクラブ「ゴールドジム」に15年1月7日に入社した星野。現在は5月31日にオープンした神奈川県川崎市の溝の口店でトレーナーとして働いている。

 通常は15時から24時までの勤務で、体を鍛える人、ダイエットに励む人などさまざまな理由でジムを訪れるお客に笑顔で対応している。1月から約6カ月間は研修を兼ね、東京都内にある「ゴールドジム サウス東京アネックス」(大森)で働いた。接客業や商品の説明など多くのことに対応しながら、トレーニングを行うお客と身近に接し、信頼関係を築いていった。

「現役時代にトレーニングや食事などについていろいろ自分で勉強していました。ゴールドジムにも通い、トレーナーの方々といろいろな話をしていたことが今、また生かされている感じですね」

2軍で好成績も受けた戦力外通告

 高校、大学と大きな実績を残せないでいた。社会人となった23歳くらいのとき、自分のトレーニング方法が間違っていたり、合っていないのではないかと思い始める。そこからトレーニングに関する勉強を始め、自分なりの方法で取り組んだ。その成果は球速になって表れはじめ、間違っていないことを確信。その後、09年の育成ドラフト1位で巨人に入団。翌年3月には支配下登録され、4月には1軍のマウンドも経験。この年、34試合に登板する活躍を見せる。

 成功を実感すると、1軍で活躍するにはどうしたらいいかという探究心がさらに生まれた。
 150キロ近い速球を投げられるようになったが、打たれることもしばしばで、どうしたら打たれないかという研究も始まった。1軍で活躍する投手や、投手コーチ陣にさまざまな話を聞き、心の持ち方、ワンポイントなどで相手打者を抑えるにはどういう心理が必要かなど、投球に関するあらゆる質問を行い、身に付けていった。

 だが12年に左股関節唇の手術を受けまたもや育成選手に戻ることになる。辛いリハビリを経て13年に復帰し、再び支配下登録もされた。
 14年オフに2軍で45試合に投げ防御率1.25ながら戦力外通告を受けた。もちろん、現役続行の意向でトライアウトを受けたが、獲得表明をする球団はなく現役引退を決めた。

 このトライアウトに新しい運命へと導く道が待っていた。ゴールドジムの社長が星野に声をかけたのだ。野球のクラブチームを持つこの会社が、星野を投手コーチ兼投手兼トレーナーとして必要としたのだ。

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