羽生結弦「ここからがスタート」熾烈極めた全日本を乗り越えソチ五輪へ

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全日本フィギュア2連覇を達成した羽生(中央)、2位の町田(左)、3位の小塚 【坂本清】

 フィギュアスケートのソチ五輪代表最終選考会となる全日本選手権が22日、さいたまスーパーアリーナで行われ、男子フリースケーティングでは、前日のショートプログラム(SP)でトップに立った羽生結弦(ANA)がフリー194.70点、SPとの合計297.80点の高得点で大会2連覇、ソチ五輪代表を決めた。2位にはSPとフリーと好演技を2本続けた町田樹(関西大)がフリー183.82点、SPとの合計277.04点、3位にはSP3位の小塚崇彦(トヨタ自動車)がフリー174.11点、SPとの合計264.81点で入った。

 表彰式後のメダリスト会見で羽生は「とりあえずホッとしています」とまずは安どの表情を浮かべ、「素直にうれしいですが、僕にとってここからがスタート。今回の試合でも課題が出ましたし、ショート、フリーともにまだ足りない」と課題を口にした。GPファイナルを制し、ソチ五輪ではメダルの期待もかかる。羽生は「良い演技ができるように頑張りたい」と2月に迫った大舞台での好演を誓った。

 以下はメダリスト会見での羽生、町田、小塚のコメント。

羽生「心臓が押しつぶされるくらい緊張した」

優勝を決め、ソチ五輪代表が決まった羽生 【坂本清】

 とりあえずホッとしています。ソチ五輪の条件はしっかり確定していると思っているので、その中で次また良い演技ができるように、ソチの舞台で良い演技ができるように頑張りたいです。

――参考ながら世界記録の得点だが?

 点数については深く考えていません。国内の全日本なのでISU(国際スケート連盟)の標準とは違うなという感じがしたので、とにかく点数どうのこうのよりも自分の演技内容について、1番滑走だったり2番滑走だったり、スケーターにとってはちょっと不利だったかもしれないオーダーの中でどれだけの演技をして、どれだけの反省点があって、というのをとにかく意識しました。

――今回の全日本はこれまでになく注目を浴びて、熾烈(しれつ)な戦いだったが、今までの全日本と今回とどういうふうに違った?

 僕にとっては五輪選考を兼ねている全日本は初めてだったので、これほどまでに緊張するのかと、本当に心臓が押しつぶされるくらい緊張していました。ただその中でもどれだけ自分のペースを守れるか、今まで学んできたこと、パトリック(・チャン)選手と何戦もあたってきて学んできたことというのを、どれだけプレッシャーがかかる舞台で、意識しながら実行できるようにやってきました。

――今回で五輪の条件を満たしたが、あらためて五輪を決めた気持ちとソチへの意気込みは?

 素直にうれしいです。本当にうれしいとしか言いようがないです。ただやっぱり、(町田)樹選手も言っていたように、僕にとってここからがスタートだと考えないといけないと思います。今回の試合でも課題が出ましたし、ショート、フリーともにまだ足りないなと、本当に思ったところがたくさんあったので、そういうところをしっかりと消化しつつ、このスタートラインからしっかりと良いステップを踏めるように、しっかり踏み切れるようにしたいと思っています。

――すごく緊張する試合だったと思うが、緊張に打ち勝った自分なりの方法は? どういうところが良かった?

 とにかく自分のペースを保つことをしました。それは具体的に何をしたとか何をするとかそういうことは全然関係なく、とにかく今すべきことをただ淡々とやっていて、というような感じです。未来とか過去とかそういうのにとらわれずに、とにかく今のことを考えて、ずっとやっていました。

――課題というのはフリーで4回転サルコウを決めることとスタミナかと思うが、ソチまでにどちらが身につけるのが難しいと感じている?

 どっちも難しいですが、サルコウの経験が少ないというのもありますし、トゥループは何度も何度もやってきてようやくできるようになったかなと思うのですが、サルコウは今までの経験の中でどれだけ成功できるフォームだとか、心境だとか、そういうものを導き出せるかだと思っています。体力の方は練習するしかないと思っていますが、どっちが難しいというのは難しいですが、どっちもできるように、絶対できるようにしなきゃなと僕は思っています。

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