大熊監督「アジアに連れていく夢を達成できて感無量」=天皇杯決勝後 FC東京監督会見
天皇杯を初制覇し、胴上げされるFC東京の大熊清監督=国立競技場 【共同】
この試合を最後に退任することが決まっていた大熊清監督は「チームをアジアに連れていくことが自分自身の夢でした。それを達成できたのは感無量」と天皇杯優勝でACL(AFCチャンピオンズリーグ)出場権を獲得したことを喜んだ。
まずまずのサッカーができた
ただ、まだまだ「トーナメントでしょ」というのもあるし、強くなるためには「J2だから」とか、いろんな声があったと思うんですが、そういうプレッシャーを乗り越えて強くなれるものだと思います。FC東京を厳しく、温かい目で見てもらって、来季リーグで活躍してくれることを心から願っていますし、天皇杯2連覇を目指してもらいたい。
それとこれは自分自身の夢でもあったんですけど、このチームは自分が見た選手が多いので、彼らのレベルアップ、クラブのレベルアップのためにはどうしても、アジアに連れていきたいというのが自分自身の夢でした。それを達成できたのは感無量というか感謝しております。サッカーはグローバルなので、まだまだやっていかなければならないこともあるけれど、この天皇杯に限っては、本当に選手に感謝しています。今後ともFC東京への皆さんのバックアップをぜひお願いしたいと思います。
――京都の選手個々のイメージについて、選手にどのように伝えたか?
(準決勝で対戦した)セレッソ(大阪)に関しては、引いてボールをもらってワンツーという、ボールと人が動くというのがあったんですが、京都に関しては同サイドの裏から入るというのがセレッソと違う。順序としては「裏」「人」「受け渡し」というキーワードで、今日は守備のところは臨みました。1点目のところ、中山が中に入ってきたところを拾われたんですけど、ボランチとサイドバックの受け渡しを、わたし自身も何度も見てイメージしたし、選手もビデオを見たりして、ある程度(イメージを)共有できたのかなと思っています。
攻撃のところはプレッシャーはかけてきても、自信を持ってサイドチェンジをすればいいし、あくまでも裏につなぐというイメージで、(相手のプレッシャーを)かいくぐれば一気に(チャンスが)広がるというのもイメージはあったと思うので。そのへんはボールを持たれていたけれど、ある程度(こちらが)攻撃の回数もシュートの本数も多かったので、意図することはできた。その上で、逆にプレッシャーを京都にかけたいというところがあって、羽生を中心に後半まで相手のリズムを出させないプレッシャーをかけていたと思うので、イメージ通りというか、今の段階で方向性も含めてまずまずのサッカーができたと思います。
――大木監督が「2点目と3点目が残念」と言っていたが、セットプレーでああいう形でリードできると思っていたか?(田村修一/フリーランス)
立ち上がりから1点取られましたけど、こっちのリズムになりすぎていて、あの失点は後ろのリスク管理というか、カウンターのところのケアとか、ちょっと(問題が)あったのかなと思います。森重のFKに関しては、昨シーズンのFC東京は直接FK(での得点)はたぶんゼロだと思う(注:森重自身はJ2第18節の水戸戦でFKを決めている)。森重自身も蹴っていなかったし、彼にはJ1、J2関係なく今後武器になるものだったと思うし、練習も重ねてきたので。ラッキーも、裏付けなりトレーニングがあって、ああいうこと(FKでのゴール)がある。そういう意味ではあいつを褒めたい。
これから肝心な試合では、国際試合も含めてセットプレーというのはキーワードなので、さらに増やしてああいうシーンが増えることを望みたい。多少(点の)取られ方が悪かったし、梶山の運動量も含めてミスもあった。羽生も含め、中盤はアグレッシブだったが、まだ完ぺきではないし、ミスも多いので逆に自分たちが疲れてしまうというのはあると思うんだけど、その精度を上げれば、全体の方向性はまずまずなのかなと。