星川監督「日本の弱点はSBの背後とCBのスピードのなさ」=チャリティーマッチ 日本女子代表戦後会見

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前半に崩されたのは失点シーン以外になかった

 試合の全体的な内容としては、想定内のこともあれば想定外のこともあった。最終的なスコアは2−3になりましたが、想定外のことが少なく、終わればたぶん逆転できたと思う。こういういいゲームになった原因は、なでしこジャパンが一生懸命にやってくれたことと、多くのお客さんが(スタジアムに)足を運んでくれたこと、なでしこリーグ選抜の選手が前日練習から一生懸命やってくれたことが、試合の結果に素直に反映されたと思う。

――宮本をトップに使った狙いは?(大住良之/フリーランス)

 宮本には経験によるポジショニングの良さがあると思ったので、彼女が1・5列目のようなフラフラしたポジションにいると、相手も(ポジションを)取りづらい。数少ないチャンスも宮本がかかわったものだったと思うし、後半も宮本をピッチに立たせたのは、相手が(ポジションを)取りづらく、やりにくそうにしているのを感じたので。宮本の経験がチームの力になってくれたのは、内容にも結果にも出ている。まだまだやれるというのは、違うチームでありながら感じていました。

――試合前にウイークポイントを突くことを考えていると言っていたが、日本のウイークポイントはどこにあると思うか?

 まず言いたいのは、自分たちのチームは昨日集まって、パッと練習しただけ。そういうチームに、しっかりブロックを作られたら点数が取れない。実際、前半に崩されたのはあの失点シーン以外にはなかった。高い位置に入ったサイドバック(SB)の背後と、センターバック(CB)のスピードのなさというのは、なでしこジャパンのウイークポイントだと思っている。それは(W杯での)米国戦でもイングランド戦でも実証されていましたし、(今日の試合で)すべて出たので、五輪予選に向けてはいいシミュレーションになったと思っています。

後半は木龍のスピードが生きると確信していた

――なでしこジャパンに疲労は感じられたか?

 自分たちのチーム(INAC神戸)でも、なでしこジャパンの選手たちはリフレッシュさせたし、リーグ戦からも日にちが空いているので、コンディションとしては悪くなかったと思う。ただ、この大観衆の中でいいプレーをしなければならないというプレッシャーと、なでしこリーグ選抜に負けられないというところが、後半のスタミナ(切れ)につながって、若干運動量が落ちたのかもしれない。ですが、コンディション自体は前半から動きもいいですし、寄せも早いですし、五輪予選に向けていい状態ではないかと思います。

――木龍の出来が相手に脅威を与えた。最初から使うプランはなかったのか?

 昨日の前日練習を見て、相手の並びはある程度は想像できた。自分たちのチームと、なでしこジャパンの前半のチームであれば、さっきの想定外の話になるんですけど、0−1で恩の字だと思っていたので、後半はさらに木龍のスピードが生きると確信していました。0−3になった時点で、逆に思い切ることができたんですけど。木龍の良さが、相手のディフェンスラインが疲れていない時に出たかと言えば、最近(木龍のプレーを)見ていないし、確信も持てなかった。前半から出していれば、チャンスを作っていたかもしれないですけど、後半の最後まで相手の脅威になり続けたというのは、後半から出たからだと自分は思っています。切り札という意味では、向こうよりこっちは少ないし、その切り札を最後に使いたかったというのがあったので、(木龍を)後半から使いました。

<了>

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