引退をかけ武蔵が大勝負「バンナに勝つ」=K-1開幕戦前々日会見

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引退をかけてGP開幕戦に挑む武蔵「バンナに勝つイメージできてる」 【スポーツナビ】

 2009年K−1世界一決定トーナメント開幕戦、「K−1 WORLD GP 2009 IN SEOUL FINAL16」(9月26日、韓国・ソウル)を2日後に控えた24日、韓国で恒例の前々日個別会見が行われた。
 会見にはバダ・ハリ、セーム・シュルト、武蔵らトーナメント開幕戦に出場する大なる16戦士らが出席。それぞれが2日後に迫った決戦へ向け意気込みを語った。

 今年限りでの引退を表明している日本のエース・武蔵は、主催者・ファンへの直訴が実り、推薦枠でファイナル16の切符をゲットした。
 負ければ即引退――そう胸に抱いて臨む“最後の挑戦”は、第一関門にして最大の試練とも言えるジェロム・レ・バンナが相手。「せっかくもらったチャンス。勝ちにこだわりたい」と、気合を入れ直す武蔵。もちろん、これを“引退試合”にするつもりはサラサラなく、「1番いい時のバンナを上回る試合を考えている。勝つイメージはできている」と必勝宣言だ。
 格闘家人生最後の大勝負へ準備は万端。日本ラウンドへ生き残ることはできるか。

 以下は武蔵のコメント。

武蔵「せっかくもらったチャンス、勝ちにこだわりたい」

「最後の挑戦だと思ったら初心に帰ることができ」と現在の心境を語った武蔵 【スポーツナビ】

──コンディションは?

 バッチリです。キツい練習をやってきました。
 試合で勝つことはもちろん、練習の成果見せることが1番だと思っています。
 韓国のファンを盛り上げる試合をしたいと思っています。
 あ、それからすでに試合後のような顔になっている(まぶたがはれている)のは、スパーリング中のパンチのせいです。
 先々週あたり、疲れがピークの時に後輩のパンチが入ってしまいました。

──試合へ向けての具体的な練習は?

 サウスポー対策はしてきましたが、特別何かを変えるというより、いつものとおり自分のスタイルを貫けるような練習をしてきました。

──ファイナル16の対戦相手がバンナと聞いたときの印象は?

 ファイナル16出場は自分からの直訴でしたので「ファイナル8へ進ませてあげるよ」という組み合わせなら、ファンも自分も納得できなかったでしょう。
「相手にとって不足はなし」という思いです。
 バンナ選手はデビューした時期も近く、年齢も同じなのでともに戦ってきた“戦友”だと思っています。
 勝負はフタを開けてみなければどうなるか分からないので、いい試合を見せようと思っています。

──練習は集中できた?

 今までにないくらい集中できました。変な気合もなく、最後の挑戦だと思ったら初心に帰ることができました。
 守るものもないし、デビューしたころのような気持ちでリングに上がれると思います。

──もし負けたら、最後の試合が日本ではなく韓国で行われたことになります。それを受け入れる用意はできている?

 負けた時のことは考えたくありませんが、最善を尽くして勝利につながらなかった時は満足できると思います。
 日本であれ韓国であれ、ファンは変わりませんし、試合をできることがうれしいので、国は構いません。

──対戦相手の試合映像は見ましたか?

 バンナの試合は頭の中に入っていますので、1番いい時期を想像してきました。
 1番いい時のバンナを上回る試合を考えています。
 勝つイメージはできています。

──目標とする勝ち方は?

 格好よく「倒しに行きます」と言いたいところですが、せっかくもらったチャンスなので、勝ちにこだわりたいと思います。

──過去、バンナ選手に負けたころから変わった点は?

 あのころの練習環境は、まるで自主練習のような環境でした。
 今は改善されていますので、あのころの自分とはまったく違うと思っています。

──京太郎選手など、K−1ヘビー級の今後を背負う日本の後輩にアドバイスは?

 京太郎選手に限らず、日本人がヘビー級で活躍するのは、陸上のボルト選手と五分に走ると同じほど難しいことだと思いますが、活躍して盛り上げてもらいたいと思います。
 日本の選手がヘビー級で活躍するには持ち味を生かすことが大切だと思います。
 スピードが持ち味ならミドル級並のスピードを、パワーが持ち味なら外国人選手並のパワーを身に付けることが近道だと思います。

バダ・ハリ、世界王者への第一歩「試合間隔は開いたけど自信ある」

昨年大みそか以来のK−1リングとなるバダ・ハリだが「ここに向けて調整してきた」と体調はバッチリ 【スポーツナビ】

 今年こその初優勝を狙う“ゴールデンボーイ”バダ・ハリは、K−1のリングに上がるのはアリスター・オーフレイムにKO負けを喫した昨年大みそか以来となるが、「ファイナル16に合わせて調整をしてきた。自信があるよ」とキッパリ。5月にはオランダの大会『ショータイム』でK−1三連覇王者セーム・シュルトを衝撃の1RKOで沈めており、勢い・体調ともに万全だ。

 以下はバダ・ハリのコメント

──K−1での試合は久しぶりですね。

 K−1での試合間隔は開いたけど、ファイナル16に合わせて調整をしてきた。自信があるよ。

──対戦相手(ザビット・サメドフ)の印象は?

 スピードのあるいい選手だが、ゆっくり相手を見ながら試合を進めるつもりさ。

──今回、韓国のスポンサードを得ているそうですね。

 ああ、励みになるよ。いい結果を出せばスポンサーにも喜んでもらえるだろう。

──あなたの戦い方はノックアウトを期待できる半面、倒されてしまう危険もあるように思います。

 倒される危険も含めて、このスタイルを貫くつもりさ。

──「ボクシングのモロッコ代表としてオリンピックを目指している」という話を聞きました。

 モロッコのオリンピック協会と話し合いはしているよ。しかしボクシングを専門にやるならば、K−1を休まなくてはならなくなる。悩ましい問題だ。

──前回大会でレミー・ボンヤスキー選手と握手していましたね。

「おめでとう」という意味の握手で「仲良くしよう」とかそういうものじゃないな。

V4好発進へ、ピーター・アーツが自信のアリスターKO宣言

4度目の世界王座へ、アーツが自信のKO宣言 【スポーツナビ】

 4度目の世界王者を狙うピーター・アーツは今回の開幕戦で、総合格闘家のアリスター・オーフレイムと対戦。コンディションは最高と笑顔を見せたアーツは、難敵を相手に「スタミナを削ってノックアウトさ」と自信を見せた。

 以下はアーツのコメント。

──コンディションは?

アーツ 最高だよ。

──優勝の可能性は何パーセント?

アーツ 99パーセントだね(笑)。

──トム・ハーリックさん、アーツが優勝に必要とするものは?

ハーリック 難しい試合にはなるだろうが、ピーターの技術向上しているからいい試合になるだろうね。

──ハーリックさん、あなたの指導方針は?

ハーリック ピーターのことは10年以上見てきた。家族のようなものさ。

──アーツ選手、作戦は?

アーツ スタミナを削ってノックアウトさ。

──アリスター選手の長所は?

アーツ 身体的に強い。それに、勝つために何でもする選手だと思うよ。

──ノックアウトまでの目標時間は?

アーツ ちょっと分からないな。時間よりも勝つことが重要だと思っているよ。

シュルト復活へ「たくさん準備をしてきた」

復活なるか、シュルトが静かに燃える 【スポーツナビ】

 2005〜07年で前人未到の世界大会3連覇を達成し、絶対王者として君臨し続けたセーム・シュルト。だが、昨年は開幕戦でピーター・アーツに敗れ、今年5月には新世代の代表格バダ・ハリに衝撃のノックアウト負けを喫している。
 世界王座返り咲きとなる4度目のVへ、そして復活へ、巨神兵は「今回の試合へ向けてたくさん準備をしてきた」と静かに燃えている。

 以下はシュルトのコメント

──4度目のグランプリ優勝をする自信は?

 それは明日に分かることだと思います。しかし、今回の試合へ向けてたくさん準備をしてきました。

──対戦相手(ダニエル・ギタ)の印象は?

 K−1での経験は少ないですが、他の大会で実績を積んでいます。
 強い選手だと思います。

──対戦相手はローキックが強いです。対策は?

 ブロックすることですね。

──「シュルト選手への評価・扱いは不当だ」

 ファンがどう感じるかに対して何かできることもありません。
 08年のファイナル16ではピーター・アーツ選手に負けてしまいましたから、今回は素晴らしい試合をする準備をしてきています。

──K−1ではない試合でバダ・ハリ選手にノックアウト負けをしてしまいました。

 違う質問をお願いします(笑)。

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