ボルト、2冠達成も「世界記録は意識していなかった」=世界陸上 第6日

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男子200mでは、100mに続き、ボルトが世界新での2冠を達成。自身の持つ世界記録を0秒11塗り替えた 【Getty Images】

 決勝が始まる前にすでに男子200メートルの結果は見えていたようだ。
 陸上の世界選手権第6日の20日夜に行われた、同種目決勝。もちろんその大本命は、100メートルを世界記録で制したウサイン・ボルト(ジャマイカ)だ。ライバルと目されていたタイソン・ゲイ(米国)は、4×100メートルリレーに出場予定のため、大事をとって同種目欠場となった。残された対抗馬では一番手となるウォレス・スピアーモン(米国)は準決勝後、「問題はウサインがどのくらいのタイムで走るかだ。自分は自己ベストを狙いに行くよ」と早くも白旗を上げていた。

別次元のレースを展開

「何か新しいことを試したかった」とボルトは、200メートルでは1次予選からTシャツの上にユニフォームを重ね着して登場。大会第4日の2次予選後はさすがに疲れた表情を見せていたが、翌日の準決勝後には「いい感じになってきた」と再度、調子を上げてきた。

 迎えた決勝――。スタート前には腕を組んで、正面のオーロラビジョンをにらみ、小さく手をあおって観衆の盛り上がりを促す。
 しかしその必要はなかった。会場の視線は、ボルト一点に集まっていた。
1度のフライングの後、ボルトは抜群の反応で飛び出すと60メートルではすでにトップ。コーナーを過ぎると後続を完全に引き離して直線に入る。それは完全に別次元のレースだった。
 100メートル同様、最後まで力を抜かずに走り切った先にたたき出されたタイムは19秒19。昨年、自身が樹立した19秒30の世界記録をまた大きく塗り替えた。

「世界記録は意識していなかった。今季はスタートの改善に取り組み、それがこの決勝のカギになった。北京に比べれば精神的には楽だったが、体力的には厳しかった。これで北京の世界記録がジョークでないことを示せたと思う」
 ボルトはそう言って満足感を示した。

 このベルリンで8本目のレースで出した世界新記録。しかし本人は21日から予選が行われる4×100メートルリレーにも意欲的だ。そのため、自身の23回目の誕生日となるこの日はパーティはせず、おとなしく過ごすという。ただし、予選は出場せず、22日の決勝にジャマイカチームが進出した場合のみ登場するという。果たして3度目の驚きは訪れるか!?

 <了>
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