連覇を狙う東洋大は「いつも通り」=第58回全日本大学野球選手権・直前リポート

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「ことしはピッチャーで勝つ」

強力投手陣で東都リーグ5連覇を果たした東洋大。選手権でも高橋監督を胴上げできるか 【写真は共同】

 前回大会の覇者であり、今大会も優勝候補に挙げられている東洋大。開会式に臨んだ高橋監督は、「今は全国(レベルが)横並び。きん差の戦いになるよ」と接戦を覚悟している。そして、「リーグ戦でも1点差が多かった。(1敗で順位が大きく変わる)東都はトーナメント方式みたいなもの。戦い方は同じだよ」と“いつも通り”を強調した。

 いつも通り――。それは、自慢の投手力で相手をねじ伏せる野球にほかならない。春秋の東都リーグ、全日本選手権、そして神宮大会と取れるすべてのタイトルを獲得した昨年のチームから大野奨太(現・北海道日本ハム)ら主軸打者が卒業し、打線の迫力は半減した。一方で、投手陣は上野大樹(現・千葉ロッテ)が抜けただけで、主力4人が残った。その4人を中心に「ピッチャーで勝つ」がことしの東洋大のテーマだ。

大きな武器になる層の厚い投手陣

 主に先発を任される乾真大(3年=東洋大姫路高)、藤岡貴裕(2年=桐生第一高)から鹿沼圭祐(3年=桐生第一)、内山拓哉(2年=浦和学院高)につなぐ“方程式”は安定感抜群で、リーグ戦全11試合を3失点以内に抑えた。確立された必勝パターンがあるから、投手交代も先手を打てるし、「やっぱり後ろ(鹿沼、内山)がいると安心感がある」(乾)と語ったように、先発も立ち上がりから飛ばすことができる。後手に回らない試合運びや、接戦をものにする勝負強さが明暗を分けるトーナメントでは、失点が計算できる投手陣は大きな武器だ。「大エースはいないけど、鹿沼もいいし、継投で勝てれば」と高橋監督が語るように、経験も能力も高い4人の投手が東洋大に2連覇を引き寄せる。
 
 開会式当日(6月8日)は、「優勝したら(07年の神宮大会から)全国4連覇だからね。やりがいがあるよ」と意気込む高橋監督の61回目の誕生日だ。還暦を過ぎてもなお盛んなその姿に、「生涯青春ですね」と水を向けられた指揮官。照れ笑いを浮かべたものの、笑顔の裏には闘志が満ちていた。
◇ ◇

■連覇狙う東洋大「チャレンジャー精神で頑張る」=大会開会式(09.06.08)

 春の大学野球日本一を決める第58回全日本大学野球選手権の開会式が8日、東京都内・日本青年館で行われた。出場26校の監督、コーチ、登録メンバー25名が全員出席。選手宣誓では初出場となる東海大海洋学部(東海地区大学野球連盟)の岡崎晃徳主将(4年=高陽東高)が「各連盟の代表として大学生らしくフェアプレーを心掛け、精一杯プレーすることを誓います」と力強く宣言した。
 また、全主将の一言スピーチがあり、1989、90年の近大以来7回目の大会連覇を狙う東洋大・小島脩平(4年=桐生第一高)は「チーム全員がひとつとなりチャレンジャー精神で頑張る」とあいさつ。2年連続準優勝の東海大・頓田郷平(4年=赤穂高)は「一戦必勝でしっかりと戦い抜き、もう一度神宮で日本一に挑戦したい」と3度目の正直目指して気合十分だった。同大会最多7回の優勝経験がある法大・石川修平(4年=小山西高)は「伝統ある東京六大学の代表として自覚と誇りを持って日本一を目指して全力で戦う」と8回目の優勝に意欲を見せた。
 さらに、創部4年目で神奈川大学連盟を初めて勝ち抜いた桐蔭横浜大の森田祐基主将(4年・桐蔭学園高)は「一戦一戦全力で戦う」とコメント。26校の中で唯一の国立大となる大教大の菊永裕樹(4年=平城高)は「限られた環境の中でチーム全員が考えて工夫して練習をしてやっとこの舞台に立つことができた。この夢の舞台でしっかりと自分たちの野球ができるように1勝目指して頑張る」と力強かった。

<了>
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