スペシャルコラム
絶対女王の今 横西奏恵(後編)
横西 奏恵(よこにし かなえ)選手
2012年2月15日更新 文:黒須田守(BOATBoy) 写真:中尾茂幸(BOATBoy)
ビッグカップル誕生
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| ピットでは鋭い表情も見せる |
「山崎智也と横西奏恵が結婚」
ウルトラ級のビッグニュースであった。山崎智也といえば、90年代後半に彗星のごとくあらわれ、実力はもちろん、アイドルにも負けないルックスで人気を集めた、艇界を代表するボートレーサーである。毎年、SG笹川賞のファン投票では上位6名に入り、何度も1位にもなっているスーパーレーサー。その山崎と、絶対女王の横西が12月1日、結婚したのである。別のジャンルでいえば、誰と誰に例えればいいのだろうか。三浦友和と山口百恵? 古いか。プロ野球の谷とヤワラちゃん? いや、これには負けていないだろう。ともかく、どんな例をあげればいいのかとっさに思い浮かばないほどのビッグカップルが、突如誕生したのである。たしかに以前から仲は良く、SGのピットで情報交換をしている姿はよく見かけたし、先輩である山崎が横西にアドバイスを送ったりもしていたようではあったが、まさか結婚するとはだれも想像していなかった。かつて横西は「智也さんとは、50歳くらいになってもお互い独身だったら、結婚してもいいかもねと軽口を叩いたりはした(笑)」と語っていたことがあったが、その“約束”まで10年以上も残しながら、二人は愛の絆を結んだのである。
それ以来、このカップルは常に話題となった。もちろん、結婚したからといって、人気は衰えることがなかった。いや、むしろさらに人気が高まったというべきか。2011年笹川賞。ファン投票は山崎が1位、横西が4位となった。これはすなわち、SGの舞台で夫婦対決が実現することを意味していた。
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| これが美しすぎる夫婦喧嘩だ! |
こんなドラマのような展開になるとは誰が予想しただろうか。山崎は1コースから真っ先にターンマークを回って逃げ込みをはかる。横西は4コースから果敢な全速戦で艇と艇の狭い隙間をまくり差していく。その結果、なんとバックストレッチでは横西と山崎の先頭争いとなったのである。まさしく、もっとも美しく麗しい夫婦喧嘩! いや、超一流のスーパースターたちを後方にしたがえて寄り添うように疾走する二人の姿は、バージンロードを歩く聖なるカップルのように見えた。もしかしたら、二人にとってもっともふさわしい、ウェディングの儀式だったのかもしれない。
しかし、実際の二人にはそんな甘い考えなど微塵もなかった。そのときお互いはお互いにとって、まずは叩き潰さねばならないライバルなのである。内側を走る横西はなんとしても2マークを先に回りたい。外側を走る山崎は夫の意地にかけてもツケマイで妻を沈めたい。結果、壮絶なる夫婦のガチンコ勝負は横西に軍配! 横西は史上初めてSGドリーム戦を勝った女子選手となるとともに、あまりにも華麗な夫婦喧嘩を制したのである。なお、山崎は道中で逆転されて3着となり、夫婦ワンツーは実現しなかった。
さらに横西は、この笹川賞で自身2度目のSG優出を果たしている。ここでもふたたび6着と敗れてしまっているが、横西がSGを制覇する日が来ることは決して夢物語ではないのだと、誰もが実感した一戦だった。
2月28日からは、ボートレース多摩川で女子王座決定戦が開催される。横西はもちろん大本命として出場することになるわけだが、昨年はフライング休みで出場していないので、山崎との結婚後ははじめての女子王座となる。常に圧倒的な力を見せつけてきた横西が、いったいどんな戦いを見せるのか。今年は、8月にもう一度、女子王座が開催され、さらに12月には「賞金女王決定戦」という賞金王決定戦の女子版が新設された、女子選手にとっては大きな大きな1年となる。その最初のビッグレースでの横西のパフォーマンスを、思い切り堪能させていただこう。そして今年はさらに、SGやGIでの今まで以上の活躍を期待したい。
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- 横西 奏恵(よこにし かなえ)選手プロフィール
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登録番号3774。74期。徳島県出身。1974年7月6日生まれ。A型。
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